日本国内では、戦後から途切れる事無く続く人口集中により数多くの市町村で過疎化が急速に進むと共に檀家制度が崩壊しており、墓仕舞いして現在の住まいの近郊に改装するケースが数多く見受けられます。地方出身者は、彼岸や年忌法要の度に駆け付けられる場所に無く、年に1回すら駆けつけられない事で無縁仏にしてしまうのは忍びないとして改葬を行っているのが現状です。
都市部では、墓地や霊園が慢性的に不足している事から購入費用や入檀料が非常に高額でなかなか手が出ないのが本音であり、結果的に初期費用を低く抑えられる永代供養墓への改葬が最も多くなっています。
永代供養墓は、運営会社や宗教法人の企業理念によって永代供養期間や初期費用が大きく異なり、拝金主義の運営会社の宗教法人の場合には3周忌の年忌法要後に合葬供養に移行するケースがあります。その為、契約前に供養期間や年間の供養回数などを漏れなくしっかりと確認しておく必要があります。
長い年月をかけて地方から都市部へと人々が移住し続けてきた結果、現在都市部ではお墓を整備する場所の確保が難しくなっているのが現状です。法規制の問題や近隣住民との調整などもその一因です。
解決策は、郊外のまたは県外に立地する墓地や霊園を購入するか、あるいは新しい形のお墓に入るかです。郊外や県外に立地するものになると、健康なうちは問題ないにしても、病気や高齢等によって行動範囲が限られてきたときのことを考えるとその選択肢も限られたものになってきます。
そこで今中心となっているのは、納骨堂の利用です。いわばお墓のマンションといった形態で、遺骨を収蔵する屋内施設です。納骨堂のスタイルも様々で、棚型、ロッカー型、仏壇型や、ICカードによって拝礼者の前に位牌等を自動搬送してくれるものもあります。納骨堂の方がかかる費用は少なくてすみますし、後継者の問題もこのスタイルが好まれる一因となっていて、供養の行き場に困る人達の受け皿になっています。